時間を掛けると仕事は進む
私がこれまでに所属してきた会社や取引で関わった会社で聞いたフレーズがこちら。

上司が帰らないから帰れない
皆様も少なからず経験があると思います。日本ではこういった遅くまで働いた方が正義のような、昭和文化が未だに浸透しており若い世代の方々を日々悩ませています。
しかし上司は何故帰らないのでしょうか?
単純に仕事が多い、家に帰っても居場所がない、飲み会までの時間調整など様々な理由が考えられるとは思いますが理由の一つとして、時間を掛ける=仕事が進むという構図が根底にあるためだと思われます。
ご存じかも知れませんが、昔とあるCMで「24時間働けますか?」というフレーズがありました。
私が思うにこの時代の働き世代の人々の根幹に時間は使えば使うほど良いという思考が、植え付けられたのでは無いかと考えています。
ここで私が言いたいのは決してそのような考えを否定するわけではなく、事実出世する人や優秀な人はすべからく他人より時間を使っていると思います。
有効な時間の使い方3選
ご参考までに会社員時代に私がやっていた時間の使い方として以下を紹介します。
- 同僚や友人と飲みに行く頻度を調整する
- 外部セミナーを受講する
- 資格を取得する
まず1に関してですが私はそもそも下戸ですので飲みに行く頻度は少なかったのもありますが、同僚や友人と飲みに行く頻度が多い方は頻度を調整してみてください。
特に同僚と行く飲み会ですが、経験上これは高確率で生産性の低い時間の使い方になります。
皆様も身に覚えがあるとあると思いますが、会社の人と飲みに行くと愚痴や悪口が主となり、終わった後に唯一疲れだけが生産されるといった事態になるケースが非常に多いです。
もちろんそういったことが全てではなく、上司の貴重な体験談が聞けたり同僚との距離が縮まったり、プラスの面もありますのでそういった時は積極的に参加されたら良いと思います。
またお勧めしたいのは出来るだけ行くメンバーを定期的に変えることをお勧めします。これは固定メンバーだと入ってくる情報や思考が偏ってくるからです。
気心の知れた仲間と飲みたいという気持ちは分かりますがメンバーは定期的に変えてみてください。
日頃あまり関わらない人と一緒に行くことでまた新たな情報や思考の勉強になるのでお勧めです。
次に2の外部セミナーを受講するといったことも有効な時間の使い方だと私は思います。
会社に属する時間が長くなればなるほど自分自身の能力や思考を客観視することが難しくなります。
これは社内での立場が低い人ほどより顕著に表れます。
言われたことを指示通りにすることしか出来ない立場の人ほど普段の仕事で改善点や疑問点が生じ、日々フラストレーションが溜まっていることと思います。
そういう時は自分自身のことを客観的に見えるような外部セミナーに参加し定期的にリセットしてみてください。
無料の講演会に参加するだけでも自分の思考は間違っていないと思えるので非常に有益だと思います。
外部セミナーによって新たなことを学び活用するといった崇高な目的でなくとも、社内で溜まったフラストレーションをリセットするだけの目的でも良いと思います。
最後の3ですが私は会社員時代に秘書検定2級、第1種衛生管理者、2級ボイラー技士、酸素欠乏危険作業主任者、有機溶剤作業主任者、高圧ガス販売主任者、防火管理者、危険物取扱者乙種4類などの資格を取得しました。
この中で自分にとって有益だった資格とそうではない資格に分かれますが、資格の有益性に関してはそれほど問題ではなく、その何か資格を取得するといった過程に関して、非常に有益な時間の使い方が隠されていると考えています。
一般的に資格を取得しようとするとまずはスケジュールを立て、勉強をする時間を新たに確保し、集中して勉強するといった最低でも3つの過程を踏まなければなりません。
この過程が有効な時間の使い方のトレーニングになり、また集中力を上げることもでき一石二鳥です。社会人になると自主的に勉強するといったことは大半の方は難しいと思いますので、資格を取るという目的で強制的に勉強をする環境下に身を置くといったことが大事です。
如何でしたでしょうか?あくまで一例ですのでより良い方法は他にもあると思いますが、ポイントはどういった時間の使い方をするか、効率的に時間を使えているかといったことです。
時間生産性が労働力としての価値になる
時間は全ての人に同一に存在します。その中で時間当たりにどのくらい成果を生み出せるかが、その人の仕事上での労働力の価値となります。
例えばAさんが30分掛かる作業をBさんは15分で終わらせることが出来ればBさんに依頼します。A会社が7日間の工程でB会社が同一の価格品質で5日間の工程であればB会社に依頼すると思います。
こういった例に代表されるように時間は非常に価値の高いものです。
皆様の日常の仕事の中にも工夫して時間を短縮出来ることがきっとあるはずです。
長年取り組んでいる作業や会社からの指示で時間を掛けてやっている業務を勇気を持って見直し、時間当たりの生産性をどんどん高めていってください。
時間生産性を高めるポイント
最後に仕事上での時間当たりの生産性を高める3つのポイントを以下にて紹介します。
- 自分の仕事を時間管理のマトリックスに分類する
- レスポンス速度を意識する
- 期限を設定しスケジュール化する
まず1に関してですがこれはスティーブン・R・コヴィー著の7つの習慣(第3の習慣)を参照します。
詳しくは割愛しますが活動を決める要因は重要度と緊急度であり、重要かつ緊急である第Ⅰ領域、重要であるが緊急ではない第Ⅱ領域、重要ではないが緊急である第Ⅲ領域、重要でも緊急でもない第Ⅳ領域の4つに分類されるといったものです。
まずは自分の仕事をこの4つに分類してみてください。
私も以前やってみて感じたのですが意外に文字に起こしづらく分類しにくかった記憶があります。
それだけ自分の仕事の内容を分かっているようで分かっていなかったのだと思います。まずは仕事内容を適正な時間配分で行うためにも一度仕事内容を整理してみてください。
次にレスポンス速度を意識することですが、あの堀江貴文さんはレスポンスが無茶苦茶早いそうです。
自分の所でボールを持たずどんどんパスしていくそうです。時間効率を熟知されていると思います。
自分が返事を早くすることで受け取った人の仕事のスピードが上がり最終的に自分に返ってきます。
また人は期待する生き物です。好きな人に告白した時に少し考えさせて欲しいと言われたら期待しますよね?
そうして散々待たされた挙句ダメだった時の落胆は計り知れません。
良い結果でも悪い結果でも出来るだけ最短で返事をすることで両者の様々な負担が軽減します。
こういうことを言うと回答出来るような答えがまだないので返事が出来ないと言う方がいますが、出来る人は途中経過でも返事をするものです。
こういう状況なのでここまでしか回答出来ません、続きはいつくらいに回答出来そうですと一報を入れておくだけも全然印象が変わってきますので、意識してレスポンス速度を早めていってみてください。
最後に期限を設定してスケジュール化してください。
すぐにやらないといけないこと、若干の時間的猶予があること、長期的に検討し改革が必要なことなど様々な仕事があると思います。そういったことをすべて見える化し、それぞれ期限を設定するとともにスケジュール化してください。
特に上を目指している人は経営層になれば中期計画や事業計画の策定が仕事内容に入ってきます。
今のうちからトレーニングの一環として自分の仕事を見える化しそれぞれ期限を設定してください。
そしてそれぞれの仕事がスケジュール通り進んでいるか、そして進まない場合はどこが悪いのかを検証し改善していってください。
そうすることでおのずとPDCA(管理サイクル)を回す一助となると思います。
AIに負けない仕事の在り方
総括すると無駄を出来るだけ省き時間効率を上げることが時間当たりの生産性に繋がると言えます。
また別の機会に述べさせて頂きますが、そう遠くない未来に多くの仕事がAIに取って代わられます。
そういった中で社内で自分の居場所を確保していくための方法は大きく2つあると私は考えます。
まず1つ目は新たに何かを生み出せる人材であること。
そして2つ目が社内での競争に勝つことです。
この2つ目の社内競争に勝つという方法で時間生産性が一つの指標になると思います。
前述しましたが同じ仕事内容で掛かる時間が異なれば時間が短い人に多くの人は依頼します。
自分の時間生産性が高ければ高いほど社内で重宝され存在価値が高くなる要因になりますので、日常の仕事内容から時間生産性を意識し効率良く時間を使えるようにしてきましょう。