スタンフォード式最高の睡眠
突然ですが皆様は満足のいく睡眠が普段から取れていますでしょうか?
おそらく多くの方が慢性的な睡眠不足に陥っていると思います。
特にスマートフォンが普及し出してから、睡眠に対して何らかの障害を抱える方がかなり増えたのでは無いかと推測されます。
これはスマホから発せられるブルーライトが睡眠を阻害しているという説がありますが、ブルーライトの影響というより操作で脳を刺激していることが問題と言われています。
もちろんスマホ以外にも深夜のテレビ番組やコンビニなど深夜営業店舗の開店など原因となる要素は他にもあるとは思います。
しかし昭和から平成初期頃までは、睡眠に関して社会的に問題視されるようなことは少なかったと記憶しています。
まさしく令和時代における働き方として、満足のいく睡眠を取り体調を整えておくことは働く上での最重要事項と言えます。
今回はこの睡眠の重要性や理想的な睡眠のとり方について、スタンフォード式最高の睡眠(西野精治さん著)を参考書とし簡単に解説していきます。
もしご興味が湧きましたら是非下記リンクから詳細をチェックしてみてください。
まず前置きとしてスタンフォード大学は睡眠研究として第一人者であり、睡眠障害の損害として700億ドルもの損失が出ると試算しています。
これがいかに睡眠が重要であるかを世に知らしめる効果となり、アメリカ国立睡眠研究所の設立に繋がったというエピソードがあることから、世界の睡眠研究はスタンフォードから始まったと言っても過言ではないと本文には触れられています。
また今、世界で活躍する睡眠研究者のほとんどは、短期でも長期でもスタンフォードに籍を置いた経験があるとのことです。
このような睡眠研究に対し十分な実績を持っているスタンフォードが、研究に研究を重ねて導き出した理想的な睡眠についての回答が本書には綴られており、この中に私達が普段気になっている睡眠に対する答えがあります。
睡眠の借金は返せない
上記でも触れましたが多くの人が慢性的な睡眠不足に陥り、睡眠負債という借金を抱えていることかと思います。
これは多くの人がショートスリーパーではないからです。
よく有名な話でナポレオンは3時間しか寝なかったとい逸話がありますが、こういったショートスリーパー体質の人は非常に稀です。
多くの人はある程度の睡眠時間を確保しないといけません。
ショートスリーパーというのは遺伝的な要素が強く後発でショートスリーパーになるといったことはまずないそうです。
よって少しでも日中に眠気を感じるようであれば、もうそれはショートスリーパーではないと考えられるでしょう。
そしてショートスリーパーでない方は6時間は最低でも睡眠時間を確保することを本書では推奨されています。
また毎日の睡眠時間が少なく週末しか纏まった睡眠時間を確保出来ないため、仕方なく週末に寝だめをしようと考える方も少なくないでしょう。
しかしながら週末の寝だめ程度では睡眠の本質的な問題は何ら解決しません。
それほど時間で睡眠のコントロールをすることは難しいのです。よって時間という量でカバーするよりも睡眠の質を高めることが本書では重要とされています。
90分の黄金法則
では実際に睡眠の質を高めていくにはどうすれば良いのか?という話ですが、本書では90分の黄金法則と題して睡眠の質は眠り始めの最初の90分で決まると断言しています。
よく睡眠時間は90分の倍数が良いとの話を聞きますが、実際は90分の倍数を寝ても目覚めが悪い場合があるそうです。
ですから先で触れたように睡眠時間という量を確保することよりも睡眠の質を高めることに重きを置く必要があります。
ご存じのように睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠に分類されます。
レム睡眠は脳は起きていて体が眠っている状態、そしてノンレム睡眠は脳も体も眠っている状態と定義されています。
特に眠り始めの最初の90分は睡眠全体の中でも最も深い眠りだそうです。
この最初の90分を乱さないようにすることが重要だと本書では提唱されています。
温度のコントロールを行う
上記の90分を乱さない方法としてまずは体温のコントロールを行うことが挙げられます。
睡眠と体温は深く結びついており体温変化で睡眠の質を向上させることが可能です。
では具体的にどのように温度のコントロールを行えば良いのかを解説します。
まず最初に行うべきことは深部体温を下げるということです。
人間には二つの温度が存在し、深部体温とは体の内部の温度を指し、対して手足の表面温度のことを皮膚温度と言います。
この深部体温を下げることにより睡眠のスイッチが入ります。
そしてこの深部体温を下げる方法として有効なのが入浴です。
入浴すると一時的に深部体温は上がりますが、その後深部体温を下げようとする動きが体の中で起こります。
この0.5℃上がった深部体温が元に戻るまでの時間が約90分とされています。
よって就寝90分までに入浴を済ませておくことが良質な睡眠のスイッチを入れる方法だと言えます。
次に室温コンディショニングも重要であると触れられています。
自分にとって最適な室温に調整し、睡眠に入ることで睡眠の質が高まると言われています。
これは人間は手や足などの末端から熱を放出し深部体温を下げますが、この熱の放出がうまくいかないと良質な睡眠にはなりません。
室温が高すぎると必要以上に汗をかき、深部体温が下がり過ぎて体調を崩してしまいます。
また逆に室温が低すぎると血行不良となり熱放出が上手く出来ないといった事態になります。
このように就寝時に最適な室温をコントロールするといったことも重要です。
睡眠レベルを高める覚醒戦略
本書では睡眠レベルを高める具体的な方法として幾つか覚醒戦略を上げています。
一つ例を挙げさせて頂くとコーヒーにおけるカフェイン摂取について、日中の覚醒スイッチを押すという意味でイートインでのコーヒーではなくテイクアウトを推奨しています。
朝のカフェで一人でコーヒーを飲むよりオフィスで誰かと会話をしながらの方が会話刺激が加わり、より良い相乗効果を生み出すということです。
私も会社員時代に本書を読んでから、出来るだけ朝のオフィスでコーヒーを飲むようにしていました。
そうすると上司をはじめ同僚や部下と確かに何気ない会話の頻度が増え、コミュニケーションを取る一つのきっかけにもなっていたように思えます。
会話刺激による覚醒のスイッチが入るといったところまでは正直自分では良く分かりませんでしたが、付加価値は確実にあったと言えます。
その他にも覚醒戦略としてアラームは2つの時間でセットする、眠りへの誘惑物質を断捨離する、裸足朝活で覚醒ステージを上げる、ハンドウォッシュメソッドで目を覚ますなどといったことを取り上げられています。
詳細は割愛しますが、自分に合う方法がきっと見つけられると思いますので是非チェックしてみてください。
まとめ
今回はスタンフォード式最高の睡眠を参考とし睡眠の重要性と効果的な睡眠についてお話させて頂きました。
睡眠の質が下がることで体の不調はもとより仕事に対するパフォーマンスが低下することは火を見るよりも明らかです。
冒頭にも触れましたが、睡眠医学の歴史はまだ新しくまさしく現代病の一つと言えます。令和的働き方を全うしていく中で押さえておかないといけない重要事項です。
本記事では簡単に解説させて頂きましたが、本書では研究結果をもとにしっかりとしたエビデンスに基づき最高の睡眠を得るための手法が記されておりますので、さらに詳しいことが気になった方は是非本書を手に取ってみてください。
最後にポイントだけ記載しておきます。