まずは覚悟が必要
皆様、こんにちは。
今回は経営者が持つべき2つのスキルにつきまして持論を展開していきたいと思います。
スキルの話に入る前にまずはマインド面について少し触れておきます。
以前、リーダーや管理職の方々に持ってもらいたい3つの思いについてお話させて頂きました。
リーダーに必要な3つの思いとは。 | TGPのサラリーマン道 (three-g-partners.com)
ここで覚悟・情熱・志の3点を主に挙げさせて頂きましたが、特に覚悟の部分が経営者には最も必要になって来ます。
ではどのような覚悟が必要なのか?というところですが、私が考える一番の覚悟は「関わった全ての人達を守る」ということです。
これがまず一つ目の経営者に要求されるスキルだと考えます。
関わった全ての人達とは俗にいうステークホルダーと呼ばれる利害関係者です。
株主、従業員、取引先、金融機関、行政機関などのことを指します。
よく経営者で自分だけが良ければ良いという考え方のもと従業員や取引先を蔑ろにしたりすることがありますが、そういった方は即刻経営者の座から降りて欲しいと個人的には思います。
因果応報という言葉の通り、良い行いをすれば良いことが還って来ますし、悪い行いをすれば悪いことが還って来ます。
短期的な視点では必ずしもその通りではないかも知れませんが、長期的な視点で見てみるとそのように世界は回っています。
よって経営者はステークホルダーを守るというスキルをまず持つべきです。
従業員を守るというのは勿論ですが、例えば不正を自社が働くと取引先にも迷惑が掛かることになりますし、倒産すると金融機関にも迷惑を掛けることになります。
経営するということは自分の身内だけではなく多くの方々が関わっており、少なからず自社が影響を与えているということをまず念頭に置かなければいけません。
リスクに備えることが大事
関わった全ての人達を守ることに最も大切なことはリスクに備えることです。
経営を行っていく上で多くの会社が資金面をはじめ様々なリスクを抱えることになります。
そういったリスクの中でも最優先に考えないといけないリスクがあります。
それは人命に関するリスクです。
顧客と従業員の人命、これが最優先かつ最重要として考えないといけない事項です。
まだ記憶に新しいと思いますが2022年4月に知床にて遊覧船が沈没する事故が起きました。
また福岡と静岡では送迎バスにて園児の置き去り事故が起きています。
これらは厳しい言い方をすると事故ではく事件と表現しても良いくらい非難されるべきことです。
経営者が持つべき守るスキルが著しく欠けていたと思わざるを得ません。
こういったことを二度と起こさないよう経営者の方々は今一度リスクマネジメントについて検討して頂きたいと思います。
サービス業ではなくオフィスワーク中心の会社も同様です。
従業員の命を確実に守るような対応や手順が明確化されていますか?という問いに自身を持ってYESと答えられる会社は少ないでしょう。
人命に勝る優先事項はありません。
まずは人命に関わるリスクをいかに低減出来るかを考えることが経営者の務めと言えます。
次に重要になるのがやはり資金面です。
会社の資金が尽きて、どこからも融資を受けられない状態になると倒産という最悪な状態になってしまいます。
会社が倒産すると当然のことながら従業員は路頭に迷い、取引先には甚大な被害をもたらすことになります。
経営者や経営陣は資金ショートに陥らないよう常にキャッシュフローに目を光らせ、予めリスクヘッジを講じておく必要があります。
利益を追求するチカラ
先程の守るということとは逆の意味合いを持った攻めるという意味で、利益を追求するチカラをもう一つのスキルとして挙げたいと思います。
会社というのは慈善事業ではありませんので、従業員に給与を支払うため、取引先に支払うために利益を出し続けることは必要不可欠です。
よって経営者には利益をとことん追求し、利益を出していくスキルが必要となって来ます。
上記に付随して企画力や営業力、交渉力、マネジメント力など様々な能力が求められるのも特徴です。
ただここで声を大にして言いたいのは、利益追求の土台についてはしっかり考えて欲しいということです。
世の中には稼げれば良い、利益を出したら良いという風潮が少なからずありますが、大事なのは土台となる考え方だと私は思います。
その土台とは一言で言うと社会貢献になっているかということです。
もっと噛み砕くと世の為、他人の為になっていますか?ということです。
お金を手に入れる、稼ぐという行為自体は様々な方法があります。
個人で稼ぐ分に関しましては言及することはありませんが、会社という組織ではこの土台部分が会社の存続に大きく関わって来ます。
日本で100年以上続いている企業はどれくらいあるかご存じでしょうか?
帝国データバンクの登録企業約147万社中の約2.27%しかありません。(2021年3月時点)
企業存続年数の平均が約30年と言われている中で、企業を存続させていくことがいかに難しいかを物語っています。
しかしながら面白いことに世界規模で見ると、日本は長寿企業が多いというデータもあります。
これは日本文化の中に根付いている世の為人の為という起業精神が関係しているのではと私は分析しています。
つまり稼ぐことお金を生み出すことだけに長けていても、企業を存続させていくことは難しいということです。
その根底には社会貢献があり、世の為人の為になる事業を展開し、変化に柔軟に対応していくといったことが大事なのではないでしょうか。
ただ残念なことに現在の日本ではお金を稼ぐことが正義、他人よりお金を持っておかないとというような風潮が強く表れ出しています。
繰り返しになりますが個人レベルではその考え方を否定することはしません。
しかしながらもっとお金を稼ぎたいからという目的で設立される会社が後を絶たないことも事実です。
2006年の改正された会社法により今では低資本(仮に0円でも)で会社設立が可能です。
おかげで今の日本には資本金100万円未満の会社がゴロゴロ存在します。
資本金が0でも別に問題は無いのですが、会社の体力でもある資本金を積まないで明確な理念やビジョンはあるのか?という疑問が生まれます。
中には高い志を持ち全うなビジネスモデルで事業展開をしている企業も存在しますが、節税対策などとして安易に法人化をしてしまうケースを目にすると嘆かわしく感じます。
個人事業主と異なり法人の経営者は上記で言うステークホルダーの幅が大幅に拡がることになりますので、自分の利だけを考えず良く熟考して欲しいと思います。
まとめ
今回は経営者の持つべき2つのスキルと言う話をさせて頂きましたが、経営陣・上層部と呼ばれる方々も同じスキルは要求されると思います。
まずは事故を起こさないようリスク対策を行う、まさにこれに尽きると思います。
また人命に関するリスク対策ステークホルダーが最優先ですが、資金面や売上面をはじめとしたお金に関するリスク対策、そして商品や人材に対するリスク対策も充分に練っておいた方が良いでしょう。
このような守りと攻めの両方のスキルを兼ね揃えた経営者や経営陣は、きっと成果を残していくことが出来るでしょう。