ガソリン価格は何故下がらないのか?

ガソリン価格を予想するポイント

今回は番外編として止まらないガソリン価格の高騰化について私見を述べたいと思います。

 

 

この記事を書いている2022年10月31日現在のレギュラーガソリンの全国平均価格は約165円/Lと高値で推移しています。

 

 

では何故ここまで高値で推移しているのでしょうか?

 

 

ガソリン価格が決まるポイントは色々あるのですが、一般の方々が注目すべきポイントは以下の2点です。

・原油価格

・為替

まず前提としてガソリンは原油を精製して作られます。

 

 

ガソリンの製造方法をもの凄く簡単に説明すると、まず大きなフラスコをイメージしてください。その中に原油を入れて高温で熱します。

 

 

すると沸騰したヤカンから蒸気が出る原理と同じで、蒸気が出て来ますのでそれを回収します。

 

そしてその蒸気(液体)を沸点ごとに分けて回収することで、ガソリン、灯油、軽油などに別れていきます。

 

 

こういったことを分留と言うのですが、この分留した時に最も軽質であるのがガソリン(軽質留分)、そして灯油や軽油(中間留分)、最後にC重油(重質留分)といった順で続いていきます。

 

 

灯油と軽油は同じ中間留分でお友達みたいなものですから、性質も良く似ていることが上記から分かると思います。

 

 

少し脱線してしまいましたので話を戻します。

 

 

前述したとおりガソリンは原油から作られますので、その価格の根幹は原油価格にあります。

 

 

つまり原油価格が上がると例外もありますがガソリン価格も上がると考えて良いと言えます。

 

 

原油価格は主にWTI(アメリカ)、BR(北欧)、ドバイ(中東)を指標としますが、日本の輸入原油はほぼ中東産ですのでドバイの原油価格を参照します。

 

 

よってまずは、
「ドバイ原油の価格が上がっているか、下がっているかに注目」です。

原油価格は新聞でもチェック出来ます。

 

 

 

次に為替の影響について説明します。

 

 

原油は日本ではほとんど採ることが出来ませんので、海外からの輸入に頼ることになります。

 

 

輸入は円高だと安く仕入れることが出来ますが、円安であれば高く仕入れることになります。

 

 

よって「円高・ドル安になるほど安く原油を仕入れることが出来ます。」

 

 

以上を踏まえて2022年4月の状況を見てみましょう。

 

 

まずドバイ価格は109ドル前後です。これは1バーレルあたりです。※1バーレルは158.98L

 

 

そして為替が1ドル126円前後です。

 

 

これが約2ヶ月前だとドバイ原油が93ドル前後、為替が115円前後となります。

 

 

原油価格は2ヶ月前から値上がっており、為替は円安になっていることがお分かりかと思います。

 

 

よって原油価格と為替の両面から見てもガソリン価格が下がる要因は薄いと言えます。

 

 

他にもガソリン価格の値決めの要因として、投機筋や地政学リスク、OPECの増産や減産をはじめ需要と供給のバランスなども挙げられますので、一概に原油価格と為替だけで価格が決まることにはなりませんが目安にはなります。

ガソリンは高い地域と安い地域がある?

地域によってガソリンの価格が違うと感じたことはありませんか?

 

 

うちの都道府県はいつも高い!と憤慨されている方もいると思いますが、これには理由があります。

 

 

その理由とは・・・ずばり運送コストの差が出ているのです。

ガソリンは製油所と呼ばれるところで作られています。

 

 

製油所で作られたガソリンは各地にある油槽所まで運ばれることになります。

 

 

そしてその油槽所から各ガソリンスタンドに運ばれるという流れです。

 

 

よって各地までのそれぞれの距離が長くなる程、運送コストが余分に掛かりガソリン価格に転嫁しなければなりません。

 

 

よって運送距離が長くなりがちな地方都市の方が、都市圏より平均すると価格が高い事態に陥ってしまうのです。

 

 

もう一つ盲点としてあるのが離島です。各都道府県において離島がある場合は、それぞれの島に対してフェリーなどで上陸し運搬していかないといけません。

 

 

こういったことも各都道府県内での平均価格の底上げの要因となっています。

離島が多い長崎県は平均価格が高いかも!?

 

また運送コスト以外の要因としては販売量の違いが挙げられます。

 

 

都市部では薄利多売傾向になりますが、地方では販売量が少ない為十分な利益率を確保しておく必要があります。

 

 

そして元売りメーカーから直接仕入れが出来る特約店ではなく、特約店から仕入れる販売店しかない地域もあることも価格が高くなる一因だと考えられます。

無印ガソリンスタンドのガソリンは粗悪品なのか?

ホームセンターなどに隣接している無印のガソリンスタンド。

 

 

いわゆる元売り系列外のガソリンスタンドですが、こういったガソリンスタンドのガソリンは粗悪品なのですか?という質問を良くされます。

 

 

結論から言うと粗悪品ではありません。

 

 

なぜならば日本国内においてガソリンは製油所と呼ばれる元売りメーカーの保有施設で全て製造されており、厳しい規格をクリアしている物しか流通しないからです。

 

 

あまり表沙汰にはなっていませんが、無印のガソリンスタンドは元売りメーカーの系列店である特約店や販売店から、余ったガソリンを売ってもらっています。

 

 

売る側としては余らせても仕方ないので安くても買ってくれるところを探しているところに無印のガソリンスタンドが手を挙げてくるので、安く売っているというからくりです。

 

 

なので無印のガソリンスタンドは、系列店より仕入れが安い関係で販売価格も安い場合が多いです。

 

 

要は看板が上がっていようが上がっていまいが、ガソリンは元売りメーカーが作った物なので品質は安心してください。

 

 

では何故無印のガソリンスタンドで給油したガソリンだと燃費が悪い、調子が悪いなどと言った悪評が存在するのでしょうか。

 

 

これには理由があります。それは製造時ではなく保管と運送に問題があったからです。

 

 

実はガソリンに限らずオイルの性状は悪い方に引きずられるという傾向があります。

 

 

品質の良い状態の物と悪い状態の物を混ぜると、性状と呼ばれる各数値は悪い方に引っ張られます。

 

 

例えばAというガソリンの水分含有量が100ppmだったとします。そしてBというガソリンの水分含有量は50ppmだったとした時に、少ない方が良しとされる50ppm以下になることはまずないということです。※例外的な場合を除く。

 

 

無印のガソリンスタンドの全てがそうだとは言えませんが、保管時に余り物同士を混合させてローリーで持って来たり、タンク内の洗浄が不十分だったりすると性状が悪い方へ引きずられます。

 

 

また元売り系列の油槽所だと厳格にタンク在庫の状況などを管理していますが、自社の油槽タンクに一旦保管しただけで管理を満足にしない会社があります。

 

 

ガソリンは元々は油ですので酸素に触れると酸化劣化しますし、タンク内で結露が多くなると水分量が増えてしまいます。

 

 

 

このような保管と運送に関しても元売りメーカーは非常に気を遣い品質の維持に努めています。

 

 

 

せっかくの厳しい規格をクリアしている良質のガソリンでも保管や運送の方法によっては、劣化させてしまうこともあるということです。

 

 

 

ただ現在はそういった再販業者も保管や運搬には気を遣っている為、以前のような燃費が悪くなったというようなこともあまり聞かなくなっています。

 

 

今回は以上となりますが評判が良ければ、次回は燃費が良くなるテクニックなどについて解説していきます。

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この記事を書いた人

TGP

はじめましてThree-G-Partners(スリージーパートナーズ)ことTGPです。元サラリーマンの視点から現代的な働き方を中心に、様々な情報を発信していきます。また個人事業主様及び中小企業様向けに経営コンサルティングも行っておりますので、ご興味が御座いましたらお問い合わせページよりご連絡ください。
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