上司の役割と責任

上司としての第一歩

皆様、こんにちは。今回は役職者の心得②として、上司の仕事についてお話したいと思います。

 

なおここでいう上司とは既に部下を持っている方はもちろんですが、今後部下を持つ予定にある方も是非参考にして頂ければ幸いです。役職者と言うと部下をお持ちじゃない方もいらっしゃるかも知れませんので、自分が管理する人がいるもしくはその予定がある人を対象とさせて頂きます。

 

さて前回の役職者の心得の中でリーダーが持つべき3つの思い(覚悟・情熱・志)について、お話させて頂きました。順番が前後してしまいましたが、今回はそもそも上司の仕事って何?という前提条件の部分をお話したいと思います。

 

私が考える上司としての最も大きい役割とは、

 

部下の能力を最大限に引き出しチームとして最高の成果を上げることだと考えています。

 

よく上司になって最初につまづきやすいことが、自分がプレーヤーとして動いてしまうことです。企業は例外的な場合を除き一般的にはプレーヤーとしての仕事が一通りクリア出来てから、人を使っていくポジションに置きます。

 

つまり上司になった段階では基本的に部下は自分より仕事が出来ない状態です。(ここで言う仕事が出来ないというのは、単純に能力的な部分が不足しているということから仕事内容を教わっていないといった場合など様々な理由がありますが同義とさせてください)

 

そういった場合に上司は自分が動いた方が早く、結果も出やすいためついつい自分で全てのことをやってしまいがちですが、それではチームとしての成果は望めません。

 

肝心なことは上司一人で結果出すのではなく、チームとして成果を出していくことです。この考え方を持っておくことがチームとして機能していく上司の考え方の第一歩です。

自分が出来ていないことでも指導する

これは上司になりたての方は特に陥りやすいのですが、自分が満足に出来ていないことは指導しにくいので、部下に対して甘くなるということです。

 

自分が出来ていないことは何となく部下に指導しにくいのは当然ですが、心を鬼にして指導をしていってください。なぜならば上司の仕事は前述したようにチームとして成果を出すことであり、貴方自身のプレーヤーとしての改善とは別物だからです。

 

上司としての仕事と貴方自身の仕事は完全に分けてください。

 

貴方自身が一人のプレーヤーとして改善しないといけない部分は当然改善が必要です。
しかし上司としての仕事の区分では貴方が出来ていようが出来ていまいが関係ありません。

 

重要なことはチームとして成果を出すために部下の不足部分を育成していくことです。

 

とは言え、自分が出来ていないことを他人に指導するのは勇気がいると思います。そういった時は「自分も直していくから一緒に頑張っていこう。」と伝え方を変えてみてください。頭ごなしな指導をしてしまうと「上司も出来ていないのに!」と反発を生むのでご注意ください。

 

部下が今一つ言うことを聞いてくれないような気がするといった人は、伝え方を意識してみることをオススメします。

優しさと甘さは別物

上司における優しさと甘さは別物だということもお伝えしておきます。チームとして機能していくためには上下関係は明確にしておかないといけません。

 

なかには近年のベンチャー企業などで上下関係がないチームで働いている方もいるかも知れませんので、成果が出ており機能しているのであれば否定はしませんが、個人的には何か問題が起こった際に誰が責任を取るのだろうという疑問が残ります。

 

上司の役割の一つとして責任を取ることも挙げられると思いますので、ここでは従来の企業のモデルケースを当てはめてお話させてください。

 

皆様の社内でもあの人は優しいと言われる人が一人はいると思いますが、その方は仕事に対して甘くはありませんか?優しさと甘さを完全に分離出来ていれば良いのですが、上司として部下に対して優しくはあるべきですが甘くてはいけません。

 

少し私の話をすると過去部下であった人と話をすると皆口を揃えて、私は仕事に対して厳しかったと言います。しかし色々なことを教わることが出来て良かったとも言ってくれます。

 

これは私が部下に対して「人としては優しく、上司としては厳しく」を徹底していたからであると思います。当然人としては優しく接するのでパワハラまがいの発言をしたことはありませんが、仕事の内容に対しては決して妥協せず、各人のレベルに応じてそれぞれ高みを目指させていました。

 

それにより数々の実績を残すことが出来て、何人もの部下が出世してくれました。

 

近年は働き方改革などが進み指導育成に頭を悩ませている上司の方も多いと思いますが、部下の顔色を覗いながら甘い指導を行った上に成果が出ないのであれば本末転倒です。企業の一員である以上全員が目指すべきところは顧客満足度を高め十分な利益を出していくことです。

 

その上で一人一人与えられた仕事内容や役割が異なるだけですので上司としての役割を全うしていくためには、部下に対する甘さを捨てることが必要です。

 

誤解がないように言いますが甘さを捨てるということは、部下に対して人格を尊重せず徹底的に追い込むといったことではありません。働き方の前に一人のプロとして与えられた仕事を高品質で部下が出来ているかということを厳しく見ていくということです。

 

ただし部下のレベル感はそれぞれで十分に考慮してください。現段階で出来ないレベル感を求めて実行が難しいことは時間を掛けての育成が必要です。

 

もしその上で労働環境に問題がある場合は、今度は経営陣が改善していかないといけない問題ですので、また経営陣の心得カテゴリーで経営幹部を含めた上層部が企業でどのようなところを見て改善すべきなのかをお話出来ればと思います。

部下に対して目は離さず手を離していく

よく一から十まで言ったことが出来ているか逐一確認する上司の方がいますが、これでは部下も息が詰まります。部下に対して自発的に考えさせて行動させていくことも大事です。

 

もちろん自由に仕事をさせるわけではなく管理監督はしっかりと行うことが前提ですが、部下が豊かな発想力で新しい取り組み方が出来るような環境を作るのが上司の役目です。

 

そのためには手を貸して毎回助けるのではなく、部下から助けを求められた場合を除き、徐々に部下の手を離していくことが部下の成長に繋がります。ただし常に行動や思考などは把握しておいてください。

 

また以前別のカテゴリーでお話させて頂きましたが新しいアイデアや改革は現場に近い側から生まれる可能性が高いので、上司として会社がより良くなる方法が生まれようとする環境を潰してしまわないことが大事です。

部下の責任は全て上司の責任

これはリーダーに求められる思いの覚悟と同じですが、部下の責任は全て上司の責任です。

 

もちろん刑事処罰の対象になるようなことはその人自身の問題かも知れませんが、それでもやはり仕事上で起きた部下の責任は上司に責任があると思います。意図的では無いにしろ部下がミスをした場合や大きな事故を発生させた場合、会社に損害を与えた場合も上司である貴方の責任と思ってください。

 

私も会社員時代は部下のミスや失態で何度も謝罪を行いました。部下と共にお客様のもとまで一緒に謝罪しに行ったこともありますし、単独で行ったこともあります。そしてその都度お客様には「私の指導不足です。大変申し訳御座いませんでした。」としか言いませんでした。お客様の前で部下を悪く言うことはせず、会社として改善すべき点、そして上司として改善すべき点を申し上げて謝罪するだけでした。

 

これはお客様が関わらない社内だけで完結する場合も同じで、自分の教え方が悪かったと反省するようにしていました。部下に対しては責任を取らせるようなことは出来ないので、しっかりと反省させ原因究明と改善策を具体的に挙げさせるようにしていました。

 

よく会社に属していると皆自分の身が可愛いので部下のせいにしてその場を乗り切ろうとする上司の方が世間には山ほどいると思いますが、経験上そういった行動や思考は多くの人に見抜かれています。そうして対外的だけではなく結果として社内的にも評判を落としてしまい、部下からは自分を守ってくれなかったと不信感が生まれます。

 

責任を取る立場になると理不尽で不条理なことでも上司として責任を追及されることがあります。

そういった時に上司としての真価が問われますので、決して他責にはせず自責の念で局面を乗り切ってください。そうすることで上司として貴方自身もまた一回り大きく成長することが出来ます。

まとめ

今回は上司としてチームを機能させるために必要な心構えをお話させて頂きました。

 

本記事を読んでから「上司は大変そうだな。」「自分には向いてないな。」と思った方がいるかも知れませんが、貴方にも上司がいるはずですのでどうぞご安心ください。

 

基本的には企業であればトップの方以外は上司がいるはずです。貴方が求められていることは上司も求められています。

 

皆様が思い浮かべる上司は不完全な方が多く、ほとんどの人が上司に対して良い印象はないと思いますが、そういうものです。なぜならば部下と一緒に上司も成長している途中だからです。

 

完璧で誰からも好かれて成果も毎回期待以上に出せるような上司は存在しません。

 

しかしそういった理想を目指すことは誰にでも出来ますし理想に近づくことも可能です。
そのためには前述で触れたような上司としての役割を十分に理解し自責思考で仕事をしていくことが大事ですので、明日から早速実行に移していってみてください。

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この記事を書いた人

TGP

はじめましてThree-G-Partners(スリージーパートナーズ)ことTGPです。元サラリーマンの視点から現代的な働き方を中心に、様々な情報を発信していきます。また個人事業主様及び中小企業様向けに経営コンサルティングも行っておりますので、ご興味が御座いましたらお問い合わせページよりご連絡ください。
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